ソラナミダ
「う~、さすがに夜は寒いっ。」
自転車にまたがり、秋の夜道を走り抜ける。
時折、かじかむ手を擦り合わせてはコンビニまでの道を急いだ。
今日も残業。
新しい仕事の依頼が舞い込み、急遽プランニングを開く。
そんな時は、決まって私が夕食の買い出しに出る。
自転車通勤の宿命…?
そんなんだから、会社に泊まり込む日だってある。
目まぐるしい忙しさの中で……
夢を描いて、生きている。
風にあおられカサカサと音を立てる木々の葉…。
もうすぐ…
もうすぐ、雪が降る。
独りで過ごす、初めての冬が…
もう、すぐそこまできていた。