ソラナミダ






「…お待たせしました。」



店員さんがフォークをことりとテーブルに置いて。



それから、木村さんとの会話は……途切れた。







「…木村さん。」



「……ん~?」





「……。私……、泣けるなら、今泣きたいです。」




「…………?」



「私は、彼の前では…泣けるんです。…変な話ですけど…泣けちゃうんです。」




「…………。」



「……ちゃんと、話をしてみます。中途半端に関わるのは…もうやめます。拒絶されたら、思いきり泣いて…あとはスッキリさせます。二度と、もう泣きません。心配かけるようなことも……しません。」


「……そうか。」




「目を覚ますまで…馬鹿な女になります。」




「……。お前……、よく似てるよ。」



「……?」



「別れた俺の女房に。でも…、残念ながら比べものにならないくらいにあいつのがいい女だったな。」



「……木村さん…。」



「…最後まで足掻けば良かったな、俺も……。」



























< 224 / 335 >

この作品をシェア

pagetop