ソラナミダ





自分のことに精一杯だったあの時は……。



周りが何も見えていなかった。



社員一人ひとりがどんな仕事をしているだとか、



都築くんのさりげない気遣いとか、



美帆が博信を見る…、切なげな瞳…とか。









「…………。」



彼女が博信と今どうなっているのかは…知らない。



彼もまた、更に仕事に打ち込んでいることは…わかる。



もし知ったとして、私は…心から祝福できるのか?それとも、ホッとするのか?



きっと……




何もしないのだろうと…思う。






ただ……




時が解決するだろうと。




そう願う他……



なかった。








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