ソラナミダ
「………暑いなあ…。ビール、飲みたい。」
明日は……、休日。
以前なら、迷わず美帆と飲みに行っていたのだろうけれど……。
「…………。」
もう……、誘えない。
一方の美帆は、何だかあまり……元気がない。
「……あ~あ……。」
デスクでうなだれていると……、
「……あの…、平瀬さん。今夜、お時間ありませんか?」
背後から、そんな……可愛い声からの、お誘い。
新人、加藤ちゃんが……
何やらもじもじとしながら、すぐ側に立っていた。
「……実は…、聞いていただきたいお話が。」
「………!」
なんという…タイミング!
「行くッ!もちろん…、飲むよね?」
「…はい、ぜひ。」
「他には…誰か誘う?」
前みたいに、さり気にみんなを誘えば……
美帆も来るだろうか。
「いえ、平瀬さんと二人で…お話したいんです。」
「………?…ん、わかった。」
二人きり……、か。
美帆との女子会以来だな………。