ソラナミダ
なんて夢をみてしまったのだろう。


昨日ハルミくんに話したせいかな…。



『明日、めざめテレビ見て』


…そう言ってたっけ。


私はテレビをつけながら、朝の身支度を始めた。


ご飯を食べ、歯を磨き、化粧をした所で…


もうすぐ出勤する時間になった。


「なんでわざわざ見てって言ったんだろう。」


ジャケットを羽織り、占いの時間を待つ。




『本日このスタジオに素敵なゲストがいらしています!』


「……。」


『おはようございます!』


『俳優の、宇野晴海さんです。』


「…【ハルミ】?」


アナウンサー達の拍手を浴びながら、そこに映し出されたのは……


紛れも無く、『ハルミくん』だった。


「え?…は?!」


半信半疑で、テレビにかじりつく。





『現在公開中の主演映画が、早くも今年一番の観客動員数を獲得されたそうですが、どうですか?』


『そうですね。多くの人に見ていただけることはありがたいです。沢山の方に反響の声をいただきました。…嬉しいです。』



声も、ハルミくんだ…。


『そして、宇野さんはなんと朝のワイドショーには初出演なんですよね。』


『そうですね。なかなか機会がなくて…。ぜひめざめテレビさんにって思ってました。』


『…ありがとうございます!では、今回の映画の見所と視聴者の方に一言お願いします!』


『…そうですね…。この映画は、友情の中から生まれてくる葛藤だったりとか愛とか、心の中にあるリアルな部分が細かく描かれているので見ている方にも共感していただけるんじゃないかと思います。最後まで、誰がキーを握ってるのか分からない所もスリルがあって面白くなっていると思います。』






< 24 / 335 >

この作品をシェア

pagetop