ソラナミダ
「……あの…、その人の、職業は……?」
「……言えません。」
「それは、プライバシーに関わるから?それとも、そういう…職業だから?」
おじさんは、バックミラー越しにチラっと私を見て。
小さく……、微笑んだ。
「……。しいて言うなれば…、後者ですかね。」
「…………!」
「あ。これはあくまでも世間話ですが……。おねーさん、ドラマなんて見てますか?」
「………!」
「私、女優の菱沼いちかの大ファンでね…、あるドラマの再放送見てめらめらジェラシー燃やしちゃったんですよ。」
「………。」
「女性の貴方なら……、逆に彼女にジェラシー感じたりしませんでしたか?」
「…………!!」