ソラナミダ
手を繋いだまま、既に店を閉じた温泉街をぶらぶらとして……、
少しだけ、空が明るくなった頃。
私達二人は、タクシーに乗って……
帰路につく。
長い長い一日だった。
酒と仕事の疲労は……
ゆっくりと…、私を、夢の中へと…
誘う。
まだ……
何も話していないのに。
それでも、寄り添うように隣りへと座る彼の温もりは気持ちがよくて……。
安心して………
瞼が閉じてしまう。
幸せな夢を……
見ている気がした。
晴海くんと、まるで本当の恋人同士のようにして……街を、歩いていた。
夢から覚めずにいれたら…
どんなに、
幸せだったのだろう。