ソラナミダ
私は……
呆然と、その場へと…立ち尽くす。
「…私の…お母さん…?」
これは……晴海くんの、大切にしていた物。
肌身離さず持っていて、無くした時には……探していて。
私が……
拾って届けたもの。
それが何故……、私のお母さんの物だと……?
晴海くんと…お母さん…。
頭の中で……
記憶の回路を巡っていく。
いつだったか……、
私のお母さんは、料理が得意だったかと…問われた時があった。
『いいお母さんなんだろうね。』
そう…言われたことも…、あった…?
「…………どういう…こと?」
誰もいない空っぽの部屋に……
私の声が、虚しく響き渡る。
崩れたパズルのピースは…
そう、簡単には埋まらない。