ソラナミダ










「………。ん………?」





ゆっくりと…瞳を開く。





布団の温もりが……



たまらなく気持ち良くて。



またトロンと……



目を瞑る。





「……………。」



ふうっ……っと。




瞼に…何かが触れる。





「…………?」




もう一度…、目を開く。






「……。……晴海くん?」




目の前には……彼の顔。




「……起きてたの?」




「ううん、さっき目が覚めたとこ。」




私の身体には…彼の腕が絡まっていて。



身動き…できない。




「あったかいや。」




人肌が……心地好い。




「……ところで…。今、何時?」



そっと手を伸ばし…カーテンを少しめくる。




空が……



少しだけ、明るい。




夜が……明ける。









「大胆だね。」



「え?」



「だいぶ…見えてるけど。」




「…………!!」





寝起きの悪さが…仇となったか。



目が慣れてくると、まだ寝ぼけた顔つきで、無防備な晴海くんの……


その、表情が見てとれるくらいの……薄暗さ。






彼は、首筋にキスを落として。



私の上に…覆い被さる。






「……目が…覚めてきた。」



「…………!」





啄むようなキスの後は。







「……コーヒー飲む前に…。少しだけ。」





「………。あ、朝から…?」




「うん。朝するの…、割とスキ。」











朝が来るまでは……




あと少し。










< 330 / 335 >

この作品をシェア

pagetop