ソラナミダ



ピンポー…ン



ピンポンピンポー…ン



朝から何だっていうんだ。


なりやまないインターホン。


「……?」




モニターに映ったのは、鷲尾さん。



ドアを開けると、怪訝そうな顔つきで…
鷲尾さんは立っていた。


「…おはようございます、どうかしましたか?」


「平瀬さん。晴見、知りませんか?」


「え…?晴海くん、いないんですか?」


「昨日の夜からつかまらないんです。昨日彼が帰ってきた気配とかありませんでしたか?」


「昨日ですか?昨日は…」


昨日は、ここにいた。


なのに…


家に帰ってない?



「…分かりません。」


「…そうですか…。もし帰ってきたら、連絡下さいますか?事務所に一度、戻りますので…。」


鷲尾さんは手帳を一枚破ると、ペンを走らせた。


「…これ、私の番号です。何かありましたら…。」


「…はい。」


メモを受け取る。



鷲尾さんは深々とお辞儀をして、そのまま足早に…通路を歩いていった。





それにしても…


鷲尾さんに居場所伝えてないなんて……。




あの後……



一体、何処に行ったのだろう。








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