ソラナミダ
「……あれ?」
目を覚ますと……
そこに、晴海くんの顔。
「……あれ??」
私は、慌てて飛び起きる。
「…いったぁ~……。」
頭が、割れるように痛い。
「……そっか、夕べ美帆と飲んでてそれから…。………。」
それから……?
「駄目だあ~、思い出せないっっ。」
その後…
何があった?
「【ウコン】さっぱし効いてないじゃん。」
この状況…、
また、悪酔いした…?
「………おっと。」
晴海くんの大きな瞳が……
私の情けない姿を映していた。
「…てか、また寝言?それとも…、ひとり言?」
「……ひとり言。…あのー…、つかぬ事をお聞きしますが、…なぜ晴海くんはここに?」
「やっぱ覚えてないんだ。」
「すみません…。」
「昨日話したことは?」
「……。はは…、さっぱし覚えてない。」
「…だろうな。」
「…私、晴海くんに何かしなかった?」
「何かって?」
「例えばチューしたり……」
「ああ!されたされた。しかも2回も。」
「……あ~……。やっぱり。やっちゃったあ…。」
「何、酔うとキス魔になるの?」
「そうらしい。被害者出るから最近酒は控えてたのに…。相当久しぶりだったからなあ……。ごめんね、晴海くん。綺麗な女優さんならまだしも得体の知れない隣人に…。」
「俺は別に大丈夫。」
「職業柄、慣れたもんだよね。でも…、ごめん。」
「慣れなんてないけど…。でも、まあ…気にしてない。」
「…あー……。駄目だなあ、私。」