ソラナミダ

「だって晴海くん芸能人でしょ？一般人に…、しかもただの隣人に言っていいの？」



「友達は別。」



「…友達？」


「うん。平瀬さんとは友達になったし、信用できるから…言っちゃった。」



「…………。」



「…あれ？どうした？」



「私達、友達になったんだ……。」



「…へ？今更そこ？」


「だってさっき自分のこと【得体の知れない奴】って…。」



「それはそっちが先にその言葉言ったからだよ。」



「…ん？」



「…あ、どうせまた覚えてないんでしょ。」



「……ハイ。」



「俺はとっくにそう思ってたけどね？でなきゃ家に上がり込まないよ。」



「そっか…。そうだよね。」



「芸能人だからって何も特殊なわけじゃないんだから、普通にしてよ、平瀬さんくらいは。」


「…やっぱり色々と大変なんだね。それが職業なんだもん、なんだか…すごい。」



「まあ…、そうでもないけど。けどさ、平瀬さんは俺が芸能人だから友達になったわけじゃないじゃん？だからこっちからすればその方が珍しくて特殊なんだよ。」



「……なる程。」



「だからこそ信用してるしね。それに、妙にウマが合う。」



「…確かに。結構笑うツボ似てるよね。」


「そうそう。だからさ、唯一の女友達！男女の友情はないって思ってたけど…。平瀬さんだけは特別！」



「それは…光栄です。」



「…だから、まあ、もし何かあるならいつでも頼ってもらって構わないから。」



「…うん？」



「お隣りさんだしね。」



「心強いなあ…。」



「…で、お隣りさんのよしみで…もう少しここに匿ってくれない？」


「匿う？」



「…うん。彼女が来るんだけど、多分そろそろ着くと思うんだ。…友達んちって言ったけど、まさか隣りの女の子の部屋にいるとは思ってないだろうから…。」