君の初恋だけを
次の週末は純一の運転で
鎌倉に一泊旅行に向かった。
車内からみる景色はテレビの画面に
映し出されたような雲ひとつない青空に
鮮やかな緑とその下に広がる果てず続く
透き通った一面の鏡のような海だった。
水面がキラキラと太陽を反射させ、
その中を点のようなサーファーが見え隠れしている。
運転をしている純一と
他愛なく会話をしながら
ただその光景だけが
頭に強く焼き付いているだけだった。