君の初恋だけを

夢の終わり


『…じゃあ行ってくる。』


そう言って純一はいつものように
優しくキスをして玄関の扉を閉める。



二人で暮らし始めて半年になる。


お互いの両親には挨拶もしていて
あとは籍をいれるだけだった。




純一の本店赴任が決まり、
あと数ヵ月後には一緒に大阪に行く予定だ。




本当は私の仕事もあるし
純一は3年間くらい今までを考えると
あっという間だよ、と言ってくれたけど

もう離れる選択肢は

私にはなかった。



仕事の引き継ぎがあるから
純一より3ヶ月遅れて行くことになっていた。



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