君の初恋だけを
『依理〜、大丈夫?
ちゃんと寮まで帰れる??』
飲み会が終わり、
千鳥足の依理に声をかける。
何があったのか、
今日の依理は飲みすぎだった。
『…私、一緒に…』
言いかけた途中で
センセイが割ってきて、
『大丈夫だよ。
俺がちゃんと送ってくから。』
そうか、センセイも社員寮だった…。
センセイに任せた方が安心かな…。
そう思って、依理にはあとでメールする、
と伝えてセンセイに依理を任せた。
『大橋くん!!
ちゃんと私の大事な茉莉亜を送り届けてよね!!』
確かに方向は一緒だけど…
戸惑うように依理と私を見比べる大橋くんに
ちょっと申し訳ない気持ちになる。
いつも強気な依理が何かを言うたびに、
大橋くんは笑顔で困ったように答えてくれていた。
いい人なんだよね〜。