君の初恋だけを
掴まれてる大きな手に
そっと上から手を添える。
『……大橋くん、なんか悩み事?』
そう言った瞬間に、目があった。
何かを言おうとしてるのか
そうじゃないのかはわからないけど
なんだかやっぱり何かある気はする…
気まずそうに目を伏せてる…。
言いにくいことかな…?
『……私じゃ言いにくいなら、
センセイとかに言ってみると
スッキリするかもよ!』
わざと明る過ぎるくらいに振舞い
大橋くんの肩を叩く。
大橋くんは少し笑ってくれて、
私を掴んでいた手を静かに離した。