君の初恋だけを

掴まれてる大きな手に
そっと上から手を添える。


『……大橋くん、なんか悩み事?』


そう言った瞬間に、目があった。


何かを言おうとしてるのか
そうじゃないのかはわからないけど

なんだかやっぱり何かある気はする…



気まずそうに目を伏せてる…。


言いにくいことかな…?



『……私じゃ言いにくいなら、

センセイとかに言ってみると
スッキリするかもよ!』



わざと明る過ぎるくらいに振舞い
大橋くんの肩を叩く。



大橋くんは少し笑ってくれて、
私を掴んでいた手を静かに離した。




< 126 / 156 >

この作品をシェア

pagetop