君の初恋だけを

『茉莉亜さん?』


『……あ、ああごめん。
大学生くらいかと思ったから。

随分大人っぽいのね…。』


動揺を誤魔化そうとして言いながら
必死に平常心を呼び戻す。


…そうよ、もう会わなければ問題ない。


『………!』


急に肩を掴まれて思わずビクリと身体が震える。

そこには真っ直ぐに見つめる瞳があった。


『…茉莉亜さん!』


『…っ!…ど、うしたの?』


思わず目を…逸らしてしまった。


< 34 / 156 >

この作品をシェア

pagetop