初恋〜君の隣に〜
「草野…お前はさっさと
席につけ…」
怒る気もなくなったのか、
先生は顔に手をあてながらわたしの席を指さした。
「は、はぁーいっ」
良かったぁ…颯太…ありがと。
なんとか怒られずに済んだようでホッとし、
わたしは急いで
自分の席に向かった。
わたしの席の隣では
携帯をカチカチと鳴らしている莉乃が座っている。
──────…ガタッ
わたしが隣に座ったのに
気付き、莉乃は携帯を
いじるのをやめ、
携帯をポケットにしまった。
「もぉ夢叶遅いよー!」
淡いピンクの頬を
プクッと膨らませながら
わたしに目を向ける莉乃。