初恋〜君の隣に〜
「あっ…相変わらずって何よー!今から走って行くからいいもんっ」
ドキドキが気づかれない
ように、
いつもより少し
声の大きさを増した。
そしてべーっと
颯太に向かってわたしは
舌をだした。
「はははっ。ばーか、ほら走るぞ?」
そう言って、わたしの持っている化学の授業道具を
ぱっと奪い、颯太は走りだした。
…颯太のそういう何気ない
優しさが、わたしは
ずっと前から…好きなんだよ。
「あ、待ってよ〜!」
そう言ってわたしも
颯太を追いかけた。