初恋〜君の隣に〜
うちのクラスの生徒全員も今では颯太に目を向けている。
そんな視線もお構い無しに颯太はニカッと先生に向かって笑った。
「俺、夢叶の保護者なんで、夢叶を送り届けに来ました!」
颯太の言葉で理科室にどっと笑いがおこった。
「水無瀬ー!!!お前ふざけるなぁー!!!」
「ひぃ〜っ、夢叶またなっ!」
そう言って颯太はわたしの肩をポンッと叩き、
理科室から
走り出て行ってしまった。
「まったくあいつは…」
先生が呆れた声を漏らす。
そんな先生の横でわたしは颯太に触れられた肩を
そっと触った。
颯太に触られた肩だけが
熱を帯びているかのように
………………熱かった。