Forever with you
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「あっ、今日も来てくれたんだ!いつもありがとうっ」


病室に入ると、笑顔で笑って俺を迎えてくれた梨乃。




…良かった......

生きてた......





"嘘だ"と思っていても、心の中でとても不安な自分がいた。




「…来るなんて当たり前だろ!
…ほらよ、お土産」

「えっ!?何々?」


梨乃におみやげを渡すと、




「…わぁー!!!
これ、新発売のやつでしょ!?
おいしそー!!!」


病院の近くのケーキ屋で買った、苺のタルトケーキ。

俺も甘党だから、喜んで買った。


そして、梨乃もこういうのは大好きだろうと思って買った。




「食べていい?」

「もちろん!
…俺にも食わせろよ」

「えー?やだぁ」

「なっ...!
テメェ...!」

「きゃははっっ」






"幸せだなぁ"
そう思っている自分がいた。


数時間前まで...雄大にすがって泣いていたのに。

なぜそんなことが思えるんだろう―――――







…俺、やっぱりバカだ。



"幸せだ"と思えるのは、梨乃と一緒に笑っているからじゃないか――――――


大好きな人と笑って"幸せじゃない"って思うほうが可笑しいよな。



そうだよな...




梨乃はまだ"死ぬ"って決まったわけじゃない。

今、精一杯生きているんだ。




「――――んーっおいしい!」

「…」

「何すねてんのー?
…食べていいよ♪」

「すねてなんかねーしっ!食うに決まってるだろ」

「はい、あーんっ」

「…っ//
お前なぁ...」


フォークを向けられる。
食べる。




「…美味い」

「…照れてるっ」

「照れてねぇよ!」

「素直になりなよーっ
こうやって食べさせるのって、なんか夢だったんだ!」


夢...





そんな些細なことが、君の"夢"だったのか...?




胸が苦しくなる。




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