Forever with you
.




「お前のさ、本当の夢って何?」

「えっ?」


つい、思って言ってしまった。




「…教えない」

「なんで?」

「今は、言わない。
…いつかきっと、言うね」

「―――――じゃあ、1つだけ何でも叶えられるって言ったら、何を頼む?」

「…それも秘密かな。
私の夢も願いも、一緒だから」

「へぇ...」





"夢"も"願い"も一緒...
俺は少し気になった。




「じゃあ、翔太は?何を頼むの??」

「…お前が言わないなら、俺も言わねぇ」

「何それー」

「…もういいから、ケーキ食わせて」

「…ごめん、もう食べちゃった‼」

「…テメ......//」







梨乃の願いが聞けたら、俺の願いも教えてやる。



"お前と永遠の時を刻むこと"ってずっと願ってたことを。




「――――早く花火大会にならないかなぁ...」

「あと1週間だな」

「…うん。
翔太と、私と、愛良と、楓君で行く花火大会が私の1番の楽しみなの」

「花火大会って言ったら少し嫌な思い出があるけどな」

「あの時は本当にごめんね。
翔太にこんな辛いこと教える事はできなかった」


あの時の思い出が浮かび上がる。







"別れてほしい"


"貴方が嫌い"と、


言われた時を――――――





でもそれは俺を泣かせたい為にと言う梨乃の優しさであった。

だけど、そんなの優しさじゃない。
俺はそう思っていた。





「…じゃあさ、今年は今までよりも楽しい花火大会にしような!」

「うんっ!」



花火大会が、より楽しくなってきた―――――




.
< 251 / 277 >

この作品をシェア

pagetop