〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「ミラン、ミラン。」
珠理の声に全く気にせず眠っている。
幸せそうな寝顔だ。
――いいな、ミランって。
辛いことがなくて。――
そう思ったが、やめた。ミランにだって辛いことがあったから。
珠理が小学校に上がった直後、ボール蹴ろうと公園に行って着いたときに子猫が捨てられているのを発見した。段ボールの中に一匹の子猫がいて、
『もらってください』
っと段ボールの蓋に書かれてた。
不憫に思い、将を説得して、子猫を玉川家のペットとして迎えた。
ミランはきっと、母猫に甘えたいときに、飼い主の勝手な思いで捨てられたんだと思う。
――辛かっただろうな・・・。――
辛いことは自分だってある。
サッカーのことでかなり悩んでる。
練習試合を無駄にしたし、公式戦は迫るし。
はぁぁ。
無意識にミランがいるほうを見る。
まだ寝てる。
自分も寝ようかと思ったがやめた。
――さあ、課題をやるぞ。――
そう思って、ドリルを開き、シャーペンを握りしめた。
しかし、シャーペンが進まない。
震えが止まらない。
珠理の声に全く気にせず眠っている。
幸せそうな寝顔だ。
――いいな、ミランって。
辛いことがなくて。――
そう思ったが、やめた。ミランにだって辛いことがあったから。
珠理が小学校に上がった直後、ボール蹴ろうと公園に行って着いたときに子猫が捨てられているのを発見した。段ボールの中に一匹の子猫がいて、
『もらってください』
っと段ボールの蓋に書かれてた。
不憫に思い、将を説得して、子猫を玉川家のペットとして迎えた。
ミランはきっと、母猫に甘えたいときに、飼い主の勝手な思いで捨てられたんだと思う。
――辛かっただろうな・・・。――
辛いことは自分だってある。
サッカーのことでかなり悩んでる。
練習試合を無駄にしたし、公式戦は迫るし。
はぁぁ。
無意識にミランがいるほうを見る。
まだ寝てる。
自分も寝ようかと思ったがやめた。
――さあ、課題をやるぞ。――
そう思って、ドリルを開き、シャーペンを握りしめた。
しかし、シャーペンが進まない。
震えが止まらない。