〔完〕 うち、なでしこになるんだから
ん、おなかが痛い。
何かに圧迫されている?
瞼を開けると、
「うぎゃ~~~~。」
ミランがおなかの上にのっている!おなかの上で寝ている!これでは体を起こしにくい。
そうしようかと思ってたら、剛溜が駆けつけて、ミランを下ろしてくれた。
「あっ、ありがとう。」
珠理のお礼を聞いたら、ぷいっと去ってしまった。
反抗期なのか、もともとの性格なのかどうか知らないけど、照れたかもしれない。
やっと体を起こせた。その時には、もう剛溜の姿は無かった。
――剛溜はね。ほんといいな。――
ふと、さっきの誓子の様子と剛溜が重なった。共通点はないのに。
――おばあちゃんも応援してるし。
うち、サッカーに関しておばあちゃんに応援されたことないっけ?――
剛溜がうらやましくなる。
本当は、珠理だって誓子に応援されたいと思っているかもしれない。