〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「よっしゃあ!」

 珠理は両手を挙げ、喜びを爆発させている。

 あかりが珠理のもとへ走ってきた。

「タワー。」

 珠理からあかりに抱きつく。

「ジュジュ、意外だな。」

 珠理は他人に抱きつくような人ではないっと、あかりは思ってたらしい。

「タワー、やったね。公式戦初ゴールだよ。」

「そうだっけ?」

「ナガモン記憶力いいな。」

 珠理の一言で、その場にいた人は爆笑した。
 そして、今コートにいる三年生も抱きついてきた。他の二年生も、一年生も抱きついてきた。

 ある程度抱擁が終わったら、輪から少し離れた。

 たまたま来未と目があって、

「くるみ、大丈夫か?」

「大丈夫です。」

 珠理は来未が無理してないか心配だ。
 来未は少し引きずって歩いているように思えたから。

「無理だったら言うんだよ。代えてもらえると思うよ。」
「はい、ありがとうございます。」

 まだ交代枠は一つある。
 最終的に交代させるかは監督が決めること。

 心配しつつ、珠理はゴールライン付近に戻る。

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