〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 ロスタイムの目安を見た珠理はすぐ、

「まだ時間はあるよ!
 ロスタイムでも気を抜かないで!」

 仲間を鼓舞する。
 それに応じて、仲間も気を引き締めていく。

 サッカーは、最後の最後まで何が起こるかわからない。

 ロスタイムに点が入ることだってある。

 それが原因で、悲劇が生まれたことがある。

 珠理の心に、もうピリピリする必要はないっと言っている珠理がいる。
 でも、それを追いやって、試合に集中する。プレーに集中する。


 ロスタイムは、ほとんどドルフィンガールズの攻撃だった。

 シュートまでいかなかったが、守備をしたのは一回あるかないかぐらい。

 それでも、笛が鳴る瞬間まで気を抜かない。いつでもシュート食らっていいように準備する。

 どんな場合でも。

 笛が長く鳴った時まで・・・・・・


 ぴぃーー~♪

 試合終了。

 結果は城崎ドルフィンガールズが三対一で勝利。





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