〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 珠理は今、頭の中の試合に出ている。

 城崎ドルフィンガールズVS適当な相手

 おっと、ドルフィンガールズのピンチ。

 反撃を食らった。

 相手の選手は華麗なドリブルで、チームメートを次々と抜き去る。

 そして、珠理だけしか止められない状況に。

 相手はどう動くか。

 考えているうちに、シュート打たれた。とっさの反応で・・・



「はい、この問題玉川さんに解いてもらおうかな。」

 先生に指名された。って、携帯はどうなったのか。いつの間にか、解決していたのか。

 って、まずどの問題を解けばいいのかわからない。

「早く黒板に書いて。」

 とりあえず、黒板に向かうか。
 肩を落としながら黒板に向かう。

 その途中、源希の真横を通り抜けた。

 珠理の顔は暗くなった。


 適当に問題解き終えたあと、授業でどんなことをやったかの記憶がない。

 六時間目の社会に関しても同じことが言える。

 寝てたわけではない。

 これを乗り切ればサッカーができる。

 そう思うと授業に集中できなかった。


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