〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「そんなこと言わないで・・・。」

 先生の弱々しい顔を珠理は無視して、走り出そうとしたら。

「特に玉川さんはチームに必要なんだ。」


――あー、もう頭にきた!――

「うちが、あんな弱っちい(弱い)チームのゴールキーパーでもやれっていうんですか。」

 今のサッカー部の一・二年生で、ゴールキーパーができる人がいないと風の噂では聞いている。

「その通りだ。」


――ふあ!やだよ。――

「悪いけどね、うちには夢があるの。
 あんなサッカー部にいたら、うちの夢ぶち壊しだ。」

 先生の気持ち全く考えてない。

 伴場中学校のサッカー部の練習見ても、やる気を感じない。
 城崎ドルフィンガールズのメンバーは、みんなまじめに、やる気満々で練習している。

 やる気のないやつらと一緒にされたくないっという、珠理の思いがある。
 やる気ない集団の中で、やるなんて・・・バンバンFCの時を思い出してしまう。

 あの時は、チームメートのほとんどは、やる気がなかった。源希と剛溜を除いて。


 
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