〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「うーん。」

 満は唸る。

 二人の間に長い沈黙が。心地悪く感じる。
 珠理は腕を組み考える。将来の夢の具体像を。


 ふと気づいた時には、

「寝てる?」

 珠理がゆすっても、満は目覚めない。


「だめだこりゃ。」

 満は寝るのが早い。っと言うより、まぶたを閉じてから深い眠りにつくのが早い。
 一度寝落ちたら、起こすのは大変。

 まあ、まだ降りるまで時間があるから、そっとしとくか。

「ナガモンこそ寝不足じゃないか。」

 ぼそりと一言。

 

 はあ、何もしゃべらないと急に眠くなる。瞼が重く感じる。

 うと、うと、うと・・・。

 まずいと思ってもついつい・・・。

 また珠理は寝てしまった。











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