〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 帰りの支度が済み、おにぎりを二個食べ終わったあと、

「ジュジュ、一緒に帰ろう。」

「うん。」

 ショルダーバッグを右肩にかけ、満とすみれと一緒にロッカールームを出て、体育館をあとにした。

 バス停まで、しゃべりながら歩いて。

 バス停に着いた。バスを待っている列の中に、こころと万由、絆とみずきがいる。

 この四人と珠理たちは一緒に乗り込んで、バスの中でしゃべった。

 絆とみずきとこうしてしゃべれるのは、最後かもしれない。だからたくさんしゃべった。

 その中で特に珠理が印象に残ったことは、絆が高等部に内進せず、女子サッカーの強豪校に入ろうとしていると言ったこと。

 
――ミツヤさん、上がらないんだ。――

 絆がいない城崎ドルフィンガールズは想像できない。
 絆がいるからこそ、このチームはまとまっている。だから・・・。

 そのほかの話はほとんど頭に入っていない。



< 80 / 213 >

この作品をシェア

pagetop