〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「剛溜って、どうするの。」

 今小学六年生の剛溜はどうなのか。

 なんとなく、適当に聞いてみただけ。


「サッカー協会が運営する『宝島サッカー学院』を第一志望にして準備してる。」

 宝島サッカー学院は、サッカー協会が運営する中・高生を対象としたサッカークラブ。

 玉川家が住んでいるO県の中の宝島市にある。

 去年できたばかりで、剛溜たちは二期生になるのだろう。

 噂によると、中高一貫らしく、高校からの編入は無理みたい。
 その代わり、ものすごくいい指導を受けられるとか。


「剛溜はすごいな。
 きっと、うちらより恵まれた環境で練習できるよ。」

「そうだな。

 そういえば、立石(市)にもサッカー学院がある。
 これは高校3年間のみの指導で、男女ともに募集してる。

 そういうコースもあるよ。」

 立石市はとっても遠い。第一、立石市のあるL県とO県はかなり遠い。


――きっと、寮暮らしだろうな。
   うーん・・・。――

 いろんなことを思っているうちに、家に着いた。






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