Wild Rock
【オルレアンの聖女よ。死にたくなければ証をよこせ】
喉を鳴らして、不敵な笑みを浮かべるサーガタナス。
マリア様はそんな状況なのに、フッと柔らかな笑みを浮かべる。
「渡すわけないじゃない。お前のような者に、光りは渡さない!」
剣を抜き、呪文を唱え始めるが、あのとき十字のタトゥをあたしに与えたとき、聖女である能力を与えたから、呪文を唱えたとしても、発動はしないのに。
「マリア様! ダメ!」
院長の手をまた振り払い、マリア様の所へ走る。
サーガタナスは巨大な翼を伸ばし、あたしへと攻撃体制に入った。
バサッと風圧と共に羽根の矢がわたしを襲う。
致命傷には至らない傷ではあったが、風圧で壁に激突し、血を吐いて激痛に苛まれた。
意識を保つだけで精一杯。
呪文すら唱えられない。
主に祈りを叫んだが、それも届かず。
そして第二波がこようとしたとき、マリア様があたしに覆いかぶさるようにかばってくる。