Wild Rock
VSマリア=アイアン=メイデン
裸のままで、ゆっくりと開くその瞳は虚で、少し体を動かせば繋がれていたチューブが気泡とともに抜けた。
ぴきっ! パキュキュ!
水圧で水槽にヒビが入り、培養液が部屋中に流れ出した。
コツンコツンと裸足の音を鳴らしながら、メイデンは濡れた髪をかきあげる。
「やっと来たのね。待ちくたびれたわ」
濡れた体を拭きながらクルリと回ると、タオルは一瞬にしてゴスロリの服に変わった。
「なにせモテるからな~。遅刻は許してくれよ?」
仕方ないと言わんばかりに肩をすくめながら、クスッと笑った。
「先に言っておくわ。あたしは、オルレアンの聖女とルーシュ様を生かして連れて来いと言われているの。あとの二人はいらないから消えてちょうだい」
カチンときた二人は、指差しながらブーイングを飛ばした。
「ちょっと! アタシ達をオマケ呼ばわりしないでちょーだい!」
「そーだぞ! 俺達は…」
「あたしの下僕」
『違うっ!』
タバコをふかしながらポソッと言うと、二人は思い切り突っ込んだ。