先生あのね?
新緑で青々とした、校庭の桜の葉は
はらはらと散りだしていた。
風はまだ暑い。
はずなのに理恵は冷や汗をかいた。
現実はそんなに甘くない。
理恵なりにがんばったんだ。
学校の授業だって
もう睡眠学習は辞めた。
大事なとこはしっかり赤線
分からなければ何度も解き直す。
がんばったつもりだった。
それなのに
とれた点数は
33点。
前までだったらさ
ギリギリ赤点じゃないし
いいでしょ?
て感じ。
だけど今回は嫌だ。
前川が
呆れるんじゃないだろうか。
冷や汗のあとさらに
息を飲む。