先生あのね?



それから理恵は熱心に質問したりするのを辞めた。




前川は相変わらず

「目標は高く」


そう言って気にしてくれたけど
がんばってがんばって

私が悲しいだけならまだいいから。


前川まで悲しませるのは嫌だから。


前川の前では頑張らないことにした。



塾の先生にとって
一生懸命教えたのに点数が上がらなかった生徒なんて山程いただろうし。


理恵一人が特別気を使う必要なんてなかったのだろう。

塾とは

出来ない勉強のレベルをあげに行くところなのだから。




勝手に好きになって

勝手に意識して

恥ずかしい自分を見せたくなくなって



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