先生あのね?
ふぅんと思った。

「合計点が、50点は上がったね。」


へぇと思った。



兄の50点は、422点からの
473点だった。

私は知っている。


点数が伸びるのは
勉強ができる人だけだ。


「高校、選べなくなるぞ。」
『お母さん。塾行きたい。』
『奇跡だ。』

て母親が一言。

点数をあげたいとか
いい高校に行きたいとか

そう言うことじゃなかった。



兄が話す「塾」に

「いい先生」に


興味がわいてきただけだ。


理恵の塾通いはあっさりと決まった。
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