恋なんてミステリアス
第四章 美佐子という女
事の顛末に感想を織り交ぜて美佐子に報告すると、大きな口を開けてアハハと笑い転げた。千夏は、自分が笑われたと思って美佐子に強く謝罪を申し入れた。「そうじゃないよ。千夏が可笑しいんじゃなくて、大笑いしたのはアイツのことだよ」
それでもまだ笑いが止まらない様子で、千夏は説明しろと迫った。
「あいつ、変なんだよね。まあ、何て言うか、極度の自己愛者とでも言ったら良いかな。ナルシストとは違うよ。それ以上に理解不可能な奴なんだから。あいつに彼女が居るのかとかは聞いてみたいした?」
千夏は怪訝な表情を崩さないまま答えた。
「居ないから暇だと言ってた」
「あ、聞いたのか。じやあ、あいつ、勘違いしたかもね。それで、何が理解不可能かと言うと、自分がモテないのは、男を見る目が無い女達が悪いって本気で思っているのよね。どう、気持ち悪いでしょ?」
男に限らす、そんな人間は少なからず居るのでは無いのか。確かに、薄気味悪いのは事実であるが、そこまで珍しいような気もしないと思った。
「で、そんな男をどうして仕向けたのよ?」
「そいつね。どうやら私を好きみたいなのよね。だから、私のお願いを簡単に聞いたって訳。千夏は、辛口のほうだから、気持ち良く叩きのめしてくれると思ったんだけどねえ」
「何バカな事を言ってるの。こっちはね、あんたの立場を考えて無理して話を合わせて大変だったんだから」
「じやあ、叩きのめしてないの?」
「当たり前じゃないの」
千夏の声が大きくなったからなのか、美佐子は千夏の肩を軽くポンポンと叩いた。
「怒らない怒らない。でも、叩きのめしてないのなら今度はあいつから誘いを掛けて来そう。そうなったら、どうしようか?」
「知らないよ、そんなの」 千夏は頭に血が上ったのを感じた。
この女、あの男よりもタチが悪い。
それでもまだ笑いが止まらない様子で、千夏は説明しろと迫った。
「あいつ、変なんだよね。まあ、何て言うか、極度の自己愛者とでも言ったら良いかな。ナルシストとは違うよ。それ以上に理解不可能な奴なんだから。あいつに彼女が居るのかとかは聞いてみたいした?」
千夏は怪訝な表情を崩さないまま答えた。
「居ないから暇だと言ってた」
「あ、聞いたのか。じやあ、あいつ、勘違いしたかもね。それで、何が理解不可能かと言うと、自分がモテないのは、男を見る目が無い女達が悪いって本気で思っているのよね。どう、気持ち悪いでしょ?」
男に限らす、そんな人間は少なからず居るのでは無いのか。確かに、薄気味悪いのは事実であるが、そこまで珍しいような気もしないと思った。
「で、そんな男をどうして仕向けたのよ?」
「そいつね。どうやら私を好きみたいなのよね。だから、私のお願いを簡単に聞いたって訳。千夏は、辛口のほうだから、気持ち良く叩きのめしてくれると思ったんだけどねえ」
「何バカな事を言ってるの。こっちはね、あんたの立場を考えて無理して話を合わせて大変だったんだから」
「じやあ、叩きのめしてないの?」
「当たり前じゃないの」
千夏の声が大きくなったからなのか、美佐子は千夏の肩を軽くポンポンと叩いた。
「怒らない怒らない。でも、叩きのめしてないのなら今度はあいつから誘いを掛けて来そう。そうなったら、どうしようか?」
「知らないよ、そんなの」 千夏は頭に血が上ったのを感じた。
この女、あの男よりもタチが悪い。