恋なんてミステリアス
気管に絡み付くような煙が肺に到達し、内壁がジリジリとすると、それをまた気管に逆流させ口から外へ吐き出す。それを数回繰り返すと指の先に挟んだ煙草が短くなって備え付けの灰皿に揉み消す。肺を汚して時間を費やし、更にお金さえも捨てる無駄で非効率な行動。やっぱり止めようか。真理恵は横開きのドアを開けて部屋を出て行った。「さて、そろそろ中に入ろうかな」
ロビー中央辺りに歩を進め、セキュリティチェックの混み具合を確認する。 「タイミング良し。この程度なら今のうちに入ってしまおう」
特にブザーが鳴ることも無くゲートを通り抜けると、何故だか時間がゆっくりと動くような錯覚に陥る。真理恵は、大きく息を吸い込み、汚れた肺の空気を入れ替えると通路に伸びる動く歩道に視線をやった。しかし、真理恵は普通に歩くほうを選び、ゆったりと進んで行った。途中、土産物売り場に立ち寄り、充分過ぎる試行錯誤の結果、ごまたまごを購入した。昔からアンコが好きな母なので、田舎では口に出来ない少し変わったお菓子のほうが気に入って食べてくれるだろう。確信は持てないが、それは期待するしか方法は無いのだ。
飛行機は、滑走路の渋滞に引っ掛かり定刻より十五分遅れど離陸した。
ロビー中央辺りに歩を進め、セキュリティチェックの混み具合を確認する。 「タイミング良し。この程度なら今のうちに入ってしまおう」
特にブザーが鳴ることも無くゲートを通り抜けると、何故だか時間がゆっくりと動くような錯覚に陥る。真理恵は、大きく息を吸い込み、汚れた肺の空気を入れ替えると通路に伸びる動く歩道に視線をやった。しかし、真理恵は普通に歩くほうを選び、ゆったりと進んで行った。途中、土産物売り場に立ち寄り、充分過ぎる試行錯誤の結果、ごまたまごを購入した。昔からアンコが好きな母なので、田舎では口に出来ない少し変わったお菓子のほうが気に入って食べてくれるだろう。確信は持てないが、それは期待するしか方法は無いのだ。
飛行機は、滑走路の渋滞に引っ掛かり定刻より十五分遅れど離陸した。