恋なんてミステリアス
「あのね・・・・」  
 真理恵は、正月に起こった事の顛末を説明した。さすがにこれには千夏も驚いたようで、高かったテンションも一気に下がった様子を見せた。 
「それって大丈夫なの?この後、面倒な事にならなければ良いんだけど」
「やっぱりそこが気になるよねえ。でもね、あれから何も言ってこないのよ。だから大丈夫なんじゃないの」 
「そんなこと分からないよ。まだ作戦を練っている段階かも知れないし」
「じゃあ、どうしたら良いのよ?」
「どうしたらって、そんなこと私に分かるはず無いじゃない。とにかく安心せずに用心しておいたほうが良いって」 
「何も言って来ないんだから用心のしようなんて無いじゃない」
「それはそうだけど...じゃあ、何かあったらすぐに連絡しなさいよ。相談に乗るからさ」
 真理恵は、これは当てには出来ないと思った。多分、興味津々で楽しくて仕方がないのだろう。過剰に心配したがる人間を真理恵は昔から余り信用出来ないと考えていた。
「分かった分かった。とにかく、男を紹介する話はパスだからね」
 そう言うと電話は切れた。 
 
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