恋なんてミステリアス
「これでも優しく言ってるつもりだよ。ケンカが絶えないって言ってたから、その後ずっと気になってたんだ。真理恵が何も言わないから聞いたら悪いとも思ってたし」
 心配してくれてたのは正直に嬉しい。でも、もう口にしたくないの。やっと癒えてきた傷に、また血を流したくないもの。二人しか居ないこの部屋に沈黙だけが容赦なく迫った。 

「分かった。もう良いよ。言わなくても良い」 

 ごめんね、千夏・・・
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