クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「…ねぇ、柚希ちゃん」
「……はい」
自分の心の狭さに愕然とする。
あたし、何も分かってなかったんだな…。
伊吹先輩は一呼吸置くと、真剣な瞳で、真っ直ぐとあたしを見た。
「…聖のこと、諦めてくれないかな?」
「………え?」
心臓が嫌な音を立てた。
目を反らさない伊吹先輩の強い眼差しに、あたしの瞳は逃げるように泳ぎ出す。
…どうして?
どうしてあたしが諦める必要があるの?
まさか、伊吹先輩も山田くんを………?