クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「…嫌です」
思ったより声が響いて、伊吹先輩が大きく目を見開いた。
山田くんと伊吹先輩のことを考えたら、諦めた方がいいのは分かってる。
でも無理だよ。駄目だよ。だって、山田くん中毒のあたしだよ?
人に言われたからって諦められる、恋じゃない。
見つめていた伊吹先輩の顔が歪み、眉間にシワを寄せ深く溜め息を吐いた。
「…柚希ちゃん、私の言った事聞いてたかな?」
「はい。山田くんを諦めるなんて出来ません。嫌です」
「…はぁー…」
引かないあたしに、二度目の溜め息はイラつきも混じっていた。
どう言われても、責められても、あたしは山田くんを――――
「柚希ちゃんは本当に馬鹿なんだね」
「………え…っ?」