クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
本当は、今すぐにでも立本に伝えたい。
でもそうした所で、立本が余計に辛くなるだけだ。
…くそっ。山田も気付けよ!!
「フフッ。ねぇ松川くん、私と手を組まない?」
「…は?」
いきなり、何を言ってるんだ?
「私と手を組めば、柚希ちゃんが手に入るよ。多少、荒くなっちゃうけど」
伊吹先輩は俺に顔を近付け、呑み込むような瞳を向ける。
……立本が、手に入る?
……はっ。笑わせんな。
「結構です。山田と立本、引き離すなんて出来ませんよ」
「は?」
立本がどれだけ山田を好きか知ってるか?
悲しいくらいに、アイツは山田一筋なんだ。
でも俺は、山田に一途な立本を好きになった。
あんな風に、俺も誰かに愛されたいって……少し、憧れもあるのかもしれないけど。
自分から、好きな奴を傷付ける馬鹿はいねーだろ。