クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
諦めるって、昨日決めたばかりなのに。
名前を呼ばれただけで、
姿を見ただけで、
声を聞いただけで、
こんなにも顔が熱くなって、胸が震えて、嬉しくなってしまう。
あたしはやっぱり、根っからの山田くん中毒なんだ……。
ゆっくり美喜ちゃんの後ろから出て、席に座る。
美喜ちゃんは少し困ったように溜め息を吐いた。
「柚希、山田くんよかったの?」
「…うん」
「柚希に用事あったみたいだけど。また来るとも言ってたけど。……無視、するの?」
「………うん」
「…そ。分かった」
ご理解をありがとう。
ごめんね美喜ちゃん。ウジウジしてる友達で。
でも決めたから。
時間が掛かっても、あたしは山田くんを諦める。