クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「山田く…」
「聖大丈夫!!?」
あたしの言葉を遮り、横で見ていた伊吹先輩が声を張り上げた。
慌てた様子で、山田くんに駆け寄る。
周りもざわざわと騒がしくなり、ゲームは一時中断。
呆然とするあたしの元に、美喜ちゃんが来た。
「柚希!ケガ無い!?」
「あたしは大丈夫だけど…山田くんがっ…」
あたしのせいで、山田くんにケガさせちゃったかもしれない。
涙が滲んでくる……。
どうしよう。山田くん、ケガしてたら……
「…スミレ先輩大丈夫です。なんで、手。離して下さい」
……えっ……?
そう言って、伊吹先輩が絡ませていた腕をほどくと、溜め息を吐いてこちらへ歩いて来る山田くん。
えっ…こっち来てる!?