クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
山田くんは真っ直ぐに歩を進め、あたしの前まで来ると足を止めた。
絡まる視線。
縮こまるあたしを、山田くんは見下ろして。
「ちょっと来て」
「うえっ……!!?」
ビックリして、変な声が出た。
だって、山田くんがあたしの手を引いて歩いてるんだもん!
「…コイツ、借りるね」
「ど、どーぞ!」
近くにいた六花ちゃんに許可を取り、出口へ向かって一直線の山田くん。
振り返りざま。
美喜ちゃんと六花ちゃんが、ピースして“頑張れ”って笑顔で口パクしてた。
女子の
『キャアアアーーーッッ!!山田くーーーん!!』
って叫びに送り出され、あたしは山田くんに連れられて体育館を後にした。