クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
* * *
聖と柚希が出て行った後の体育館では、残された奴等が騒ぎまくっておりました。
「山田く~ん!」
「あの子羨ましすぎ!何なの!?彼女!?」
「悔しいぃぃ~っ!!」
とくに女子はスゴいです。
男子は普段クールな聖が、あんな行動に出たことに驚いてるようです。
各々の会話が交わされる中、たった一人、悔しそうに唇を噛む女の子がいました。
……伊吹スミレです。
「…私、抜ける。あとはよろしく」
「えっちょっ…スミレ!」
スミレはチームの子の呼び止めを無視して、柚希達の後を追うように体育館を出た。
その様子を、両腕を組んで壁に寄り掛かりながら、見守る男。