クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


「あたしが貼る。湿布貸して」


「…ん」



湿布を受け取り、ペリペリっとシートを剥がす。


山田くんの広い背中。
くっきりと付いたボールの跡。


胸がギュウ…っと締め付けられて、鼻の奥がツーンてした。



……痛かった、よね……ごめんね。





「……ありがとう……」





山田くんの背中に寄り掛かるように頭を着けて、湿布を握り締めて小さく呟いた。


静かな時間が流れて、俯くあたしは込み上げる想いで顔が上げられない。



……そんな、あたしの耳に届いた、山田くんの声。





「…何で泣いてんの」


「……っえ?」




……な、いてる?


そっと頬を指でなぞる。指には、あたしの雫が付いた。



……あたし、無意識に泣いてたんだ……。






< 173 / 401 >

この作品をシェア

pagetop