クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
「あたしが貼る。湿布貸して」
「…ん」
湿布を受け取り、ペリペリっとシートを剥がす。
山田くんの広い背中。
くっきりと付いたボールの跡。
胸がギュウ…っと締め付けられて、鼻の奥がツーンてした。
……痛かった、よね……ごめんね。
「……ありがとう……」
山田くんの背中に寄り掛かるように頭を着けて、湿布を握り締めて小さく呟いた。
静かな時間が流れて、俯くあたしは込み上げる想いで顔が上げられない。
……そんな、あたしの耳に届いた、山田くんの声。
「…何で泣いてんの」
「……っえ?」
……な、いてる?
そっと頬を指でなぞる。指には、あたしの雫が付いた。
……あたし、無意識に泣いてたんだ……。