クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


……怖い。でも、聞きたい。


誰が浮かんだのか。それとも誰も浮かばなかったのか。


期待なんてしていない。


ただ、胸が疼いてしょうがない。




「…山田くんは、誰が浮かんだの…?」




やっぱり、最終的には伊吹先輩だった……?


ゆっくりと絡まる視線。

見つめ合う形になって、山田くんの綺麗なブラウンの瞳が、あたしを捉える。



……そして、しばらくの間の後。

山田くんの口が動いて。





「あんたは誰が浮かぶ?」


「…はい?」


「好きな奴」




いやあの…あたしの質問は無視ですか?

答えてくれそうな感じだったのになぁ……。


意外な返しに拍子抜けして肩を落としつつも、答えを考えてるあたし。



好きな奴………か。


そんなの、世界中でたった一人しかいないよ。





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