クールな彼が好きすぎて困るんですが!!
瞬間、咳を切ったように溢れ出した涙。
我慢しようとしても、私の意思なんて無視して涙は流れるんだ。
「…ゔっ……うぇっ…く…っ」
要くんの手が。温かい手が。撫でる手が。
…私の、心の中で絡まっていた糸をほどいてゆく。
「…っ…うぅっ…」
バカみたいに泣いた。バカみたいに泣いたんだ。
わんわん声上げて、子供みたいに。
どうしてこんなに泣いてるのか、自分でも分かんなくて。
ただ、何かがプツッと切れた感覚だった。
自分でも分からない、心の奥底で、張りつめていた何かが。
要くんの温もりによって、溶けてゆく………。
「…お疲れ様です」
そっと囁かれた言葉。お疲れ様ですって何なのよ。そう思ったのに。
「…よく頑張ったな」
なんて言うから。優しく微笑むから。
……あぁ、私…この言葉が一番嬉しかったんだ……。
要くんの腕の中。
その言葉が、涙で歪む視界の中で、いつまでも優しく耳にこだましていた。